Webマーケターとは?仕事内容・必要スキル・年収までわかりやすく解説

Webマーケターとは、SEOや広告、SNSなどのWeb施策を活用し、商品・サービスの売上や集客を最大化する役割を担う職種です。
近年は、企業のマーケティング活動がオンライン中心へと移行したことで、Webマーケターの需要は年々高まっています。一方で、「具体的に何をする仕事なのか」「未経験でもなれるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
そこで本記事では、Webマーケターとは何かという基本定義から、仕事内容・必要スキル・年収・将来性までを、初心者にもわかりやすく解説します。Webマーケターを目指している方や、仕事の理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

X(旧: Twitter): @webkirin
Webマーケター/SEOコンサルタント
1993年生まれ。青山学院大学経済学部卒業後に外資系ITコンサルティング企業やベンチャー企業を経て、独立。
現在は、デジタルマーケティング会社であるCOUNTER株式会社を経営し、SEOコンサルティングを得意分野とする。
Webマーケターとは?

Webマーケターとは、WebサイトやSNS、広告などのオンライン施策を通じて、商品・サービスの集客や売上向上を担う職種です。
単にアクセス数を増やすだけでなく、「誰に・何を・どう届けるか」を設計し、数字をもとに改善を重ねながら事業成長に貢献する役割を担います。近年は企業のデジタルシフトが進み、Webマーケターの重要性はますます高まっています。
Webマーケターの定義と役割
Webマーケターの定義は、「Web上のデータと施策を活用し、成果を最大化するマーケティング担当者」です。SEO、Web広告、SNS、コンテンツ制作、アクセス解析などを横断的に扱い、ユーザー行動を分析しながら最適な施策を設計・実行します。
役割の本質は“作業”ではなく“成果創出”にあり、KPI設計やCVR改善、LTV向上など、事業目標から逆算して施策を組み立てる点が特徴です。
なぜ今Webマーケターが求められているのか
Webマーケターが求められる背景には、消費者行動のオンライン化があります。検索、SNS、比較サイトなど、購買判断の多くがWeb上で行われる現在、オンライン施策の質がそのまま売上に直結します。
また、広告費の高騰や競争激化により、「データをもとに改善できる人材」の価値が上昇しています。経験や勘に頼らず、数値で判断し成果を出せるWebマーケターは、業界・企業規模を問わず重宝される存在となっています。
Webマーケターの主な仕事内容

Webマーケターの仕事は、「Web上で成果を出す仕組みをつくり、改善し続けること」です。単に集客施策を実行するだけでなく、数値をもとに課題を特定し、戦略から実行・改善までを一貫して担います。
Webマーケターの主な仕事内容
① 集客施策(SEO・広告・SNS)
② データ分析・改善(CVR・KPI)
③ コンテンツ企画・制作
④ 施策設計・戦略立案
ここでは、各内容について説明します。
集客施策(SEO・広告・SNS)
集客はWebマーケターの中核となる業務です。検索エンジンからの流入を増やすSEO、即効性のあるWeb広告(リスティング広告・SNS広告)、認知やファン形成を目的としたSNS運用など、複数のチャネルを活用します。
重要なのは、闇雲に施策を打つのではなく、「誰に・何を・どのチャネルで届けるか」を設計したうえで実行することです。商材やフェーズに応じて、最適な集客手法を選択・組み合わせる判断力が求められます。
データ分析・改善(CVR・KPI)
Webマーケティングでは、すべての施策が数値で可視化されます。アクセス数、CVR(コンバージョン率)、CPA、LTVなどの指標を分析し、課題を特定するのがWebマーケターの重要な役割です。
Google Analyticsや広告管理画面などのツールを用いて、「なぜ成果が出ていないのか」「どこを改善すべきか」を仮説立てし、改善施策につなげます。分析と改善を繰り返すことで、成果を継続的に伸ばしていきます。
コンテンツ企画・制作
コンテンツ制作もWebマーケターの主要業務の一つです。SEO記事、ホワイトペーパー、LP、SNS投稿、メルマガなど、目的に応じたコンテンツを企画・制作します。
単なる情報発信ではなく、「ユーザーの検索意図や課題をどう解決するか」「成果につながる導線になっているか」を意識する点がマーケティング視点のコンテンツ制作の特徴です。
ライターやデザイナーと連携しながら進めるケースも多く、ディレクション力も求められます。
施策設計・戦略立案
Webマーケターは実務担当であると同時に、施策全体を設計する役割も担います。KGI・KPIの設定、ターゲットやペルソナ設計、カスタマージャーニーの整理など、上流工程から関わるケースも少なくありません。
戦略設計では、「短期的な成果」と「中長期的な成長」のバランスが重要です。データと事業理解をもとに、再現性のあるマーケティング施策を構築できるかが、成果を出すWebマーケターの分かれ目となります。
職種別に見るWebマーケターの種類

Webマーケターと一口に言っても、担当領域や専門分野によって役割は大きく異なります。
職種別に見るWebマーケターの種類
① SEOマーケター
② Web広告運用マーケター
③ SNSマーケター
④ コンテンツマーケター
⑤ Webマーケティングマネージャー
ここでは代表的な5つの職種について、それぞれの仕事内容や特徴を解説します。
SEOマーケター
SEOマーケターは、検索エンジン経由での集客を最大化することを目的とした職種です。具体的には、キーワード選定、コンテンツ企画、内部対策(構造改善・タグ最適化)、外部対策の方針設計などを行います。
検索意図を深く理解し、「どのような情報を、どの切り口で届けるか」を考える力が求められます。成果が出るまでに時間はかかりますが、長期的に安定した集客を実現できる点が特徴です。
Web広告運用マーケター
Web広告運用マーケターは、リスティング広告やSNS広告、ディスプレイ広告などの運用を担当します。予算管理、入札調整、広告文・クリエイティブの改善、数値分析を通じて、費用対効果の最大化を図ります。
短期間で成果が出やすい反面、数字に対するシビアな判断力が求められます。CPAやROASといった指標を基に改善を回すため、分析力とスピード感が重要な職種です。
SNSマーケター
SNSマーケターは、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、YouTubeなどのSNSを活用して、認知拡大やファン獲得を行う役割です。投稿企画、運用設計、分析、インフルエンサー施策などが主な業務になります。
トレンドへの感度やユーザー心理の理解が欠かせず、数値だけでなく「共感」や「拡散」を意識した施策が求められます。ブランディング寄りのマーケティングに関わりたい人に向いています。
コンテンツマーケター
コンテンツマーケターは、記事、ホワイトペーパー、動画、メルマガなどのコンテンツを通じて、見込み顧客との関係構築を行う職種です。
単なる制作ではなく、「どのフェーズのユーザーに、何を届けるか」を設計するのが重要な役割です。SEOやSNS、広告と連携しながら、中長期的に成果を積み上げていくマーケティング手法を担います。
Webマーケティングマネージャー
Webマーケティングマネージャーは、複数の施策やチームを横断して全体を統括するポジションです。KPI設計、戦略立案、予算配分、メンバー管理など、上流工程を担います。
個別施策の知識に加え、事業全体を俯瞰する視点が求められるため、実務経験を積んだ後のキャリアパスとして選ばれることが多い職種です。経営に近い立場でマーケティングに関わりたい人に向いています。
Webマーケターに必要なスキル・知識

Webマーケターとして成果を出し続けるためには、単一の施策スキルだけでなく、事業全体を理解し数値で改善できる総合力が求められます。
Webマーケターに必要なスキル・知識
① マーケティング基礎・事業理解
② データ分析・数値改善スキル
③ コミュニケーション・仮説思考力
ここでは、特に重要度の高い3つのスキル・知識を解説します。
マーケティング基礎・事業理解
Webマーケターに欠かせないのが、マーケティングの基本原則と事業視点です。STP分析やカスタマージャーニー、4Pなどの基礎理論を理解していないと、施策が場当たり的になりがちです。
また、売上構造や利益率、LTV(顧客生涯価値)など事業指標を把握することで、「アクセスを増やす」だけでなく「事業成長につながる施策」を設計できるようになります。稼げるWebマーケターほど、事業理解を重視しています。
データ分析・数値改善スキル
Webマーケティングは数値で成果が可視化される分野です。GoogleアナリティクスやSearch Console、広告管理画面などを活用し、PV・CVR・CPA・KPIといった指標を分析できる力が必要です。
重要なのはツール操作そのものではなく、「数値の変化から仮説を立て、改善施策につなげる力」です。小さな改善を積み重ねられるマーケターほど、継続的に成果を出せます。
コミュニケーション・仮説思考力
Webマーケターは一人で完結する仕事ではありません。営業、エンジニア、デザイナー、クライアントなど、さまざまな関係者と連携しながら施策を進めます。そのため、意図や目的をわかりやすく伝えるコミュニケーション能力が重要です。
また、「なぜこの施策を行うのか」「なぜ数値が伸びた(下がった)のか」を論理的に考える仮説思考力があることで、再現性のある成果を生み出せます。
Webマーケターの年収・キャリアパス

Webマーケターは、スキルや経験の積み重ねによって年収・働き方の選択肢が大きく広がる職種です。会社員として専門性を高める道だけでなく、副業やフリーランス、マネジメント・事業責任者へのキャリアアップも現実的に狙えます。ここでは、年収目安と代表的なキャリアパス、将来性について解説します。
会社員Webマーケターの年収目安
会社員Webマーケターの年収は、経験年数や担当領域によって幅があります。
未経験〜経験1〜2年程度の場合は、年収300万〜400万円前後が一般的です。主に広告運用補助やSEOの実務、データ集計などを担当します。
経験3〜5年ほどで、SEOや広告運用を一通り任され、成果を出せるようになると、年収400万〜600万円が目安になります。戦略立案や改善提案まで担えると評価が上がりやすくなります。
マネージャーや責任者クラスになると、年収600万〜800万円以上も珍しくありません。KPI設計、予算管理、チームマネジメントなど「事業視点」での役割が求められます。
副業・フリーランスとしての収入
Webマーケターは、副業やフリーランスとの相性が良い職種です。
副業の場合、月5万〜10万円程度は比較的現実的なラインで、SEO記事作成や広告運用の一部業務、レポーティング支援などが多く見られます。
スキルや実績が増えると、月20万〜30万円以上の副業収入も可能です。広告運用代行やSEOコンサル、CVR改善など「成果に直結する業務」を任されるようになります。
フリーランスとして独立した場合、月収40万〜80万円以上を安定的に稼ぐ人もいます。複数案件を掛け持ちしつつ、長期契約や顧問契約を増やすことで収入の安定化が図れます。
将来性と市場価値
Webマーケターの将来性は高く、今後も需要が続くと考えられています。理由は、企業の集客・売上がオンライン中心になり、データに基づくマーケティングが不可欠だからです。
特に、
- SEO・広告・SNSを横断して考えられる
- 数値改善だけでなく事業成果まで意識できる
- 戦略設計や上流工程に関われる
こうしたスキルを持つWebマーケターは、市場価値が下がりにくく、転職・独立の選択肢も広がります。
単なる「作業者」ではなく、「成果を再現できるマーケター」を目指すことが、年収アップと長期的なキャリア形成の鍵となります。
未経験からWebマーケターになる方法

Webマーケターは、未経験からでも比較的挑戦しやすい職種の一つです。理由は、学習環境が整っていること、個人でも実践しやすいこと、そして成果が数値で可視化できる点にあります。
ただし「何となく勉強する」だけでは仕事にはつながりません。未経験者こそ、正しい順序で行動することが重要です。
未経験者が最初にやるべきこと
まず取り組むべきは、Webマーケティング全体の構造を理解することです。SEO・広告・SNS・コンテンツ・分析などの個別スキルに入る前に、「集客→成約→改善」という一連の流れを把握しましょう。
この全体像を理解せずに部分最適の勉強をすると、実務で使えない知識になりがちです。
次に、一つの分野に絞って基礎を固めることが重要です。未経験者の場合、SEOやコンテンツマーケティング、広告運用のアシスタント業務など、比較的参入しやすい分野から始めるのがおすすめです。
「広く浅く」よりも「狭く深く」を意識することで、仕事につながる確率が高まります。
勉強方法・実務経験の積み方
勉強はインプットだけで完結させず、必ずアウトプットとセットで行いましょう。書籍やブログ、動画講座で基礎を学んだら、自分でWebサイトやSNSアカウントを運用し、仮説→実行→分析→改善を繰り返します。この経験自体が立派な実績になります。
実務経験を積む方法としては、以下が現実的です。
- 副業・業務委託案件に応募する
- インターンやアシスタント職に挑戦する
- 自社サイト・ブログ運営で成果を出す
特に重要なのは、「何を考えて、どう改善し、どんな結果が出たか」を言語化できることです。これができれば、未経験でも転職や案件獲得で評価されやすくなります。
未経験からWebマーケターを目指す場合は、「学習→実践→実績化」を高速で回すことが成功への近道です。
まとめ
Webマーケターは専門性が高い一方で、未経験からでも段階的にスキルを積めば十分に目指せる職種です。
最初はWebマーケティング全体の仕組みを理解し、SEO・広告・SNS・分析といった基礎知識をインプットすることが重要です。
未経験者が評価されるポイントは、「完璧な実績」よりも学習意欲・行動量・仮説検証の姿勢です。小さな成果でも数字で語れる経験を増やすことで、転職や副業のチャンスは広がります。
正しい順序で学び、実践を重ねていけば、Webマーケターとしてのキャリアは着実に切り開いていけるでしょう。


