Webマーケターに資格は必要?おすすめ資格一覧と取得メリットを解説

Webマーケターに資格は必要?おすすめ資格一覧と取得メリットを解説

Webマーケターを目指す中で、「資格は取ったほうがいいのか?」「未経験でも資格があれば有利になる?」と悩む方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、Webマーケターに資格は必須ではありません。
しかし、目的やフェーズによっては、資格が学習の指針になったり、スキル証明として役立つ場面も確実に存在します。

本記事では、

  • Webマーケターに資格が必要かどうか
  • 実務に活かしやすいおすすめ資格
  • 未経験・転職・副業など目的別の選び方

をわかりやすく解説します。「なんとなく資格を取る」のではなく、キャリアに直結する資格の考え方を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

DIGIBITO編集長
宮田 和也

X(旧: Twitter): @webkirin
Webマーケター/SEOコンサルタント
1993年生まれ。青山学院大学経済学部卒業後に外資系ITコンサルティング企業やベンチャー企業を経て、独立。 現在は、デジタルマーケティング会社であるCOUNTER株式会社を経営し、SEOコンサルティングを得意分野とする。

Webマーケターに資格は必要?

Webマーケターを目指すうえで、「資格は取ったほうがいいのか?」と悩む人は少なくありません。結論から言うと、Webマーケターに資格は必須ではありません。実務では資格の有無よりも、成果やスキル、考え方が重視される傾向が強い職種です。

一方で、状況や立場によっては資格がプラスに働くケースも存在します。この章では、「なぜ資格が必須ではないのか」「それでも資格が評価される場面はどこか」を整理して解説します。

資格が必須ではない理由

Webマーケターに資格が必須とされない最大の理由は、成果が数字で評価される仕事だからです。SEOであれば検索順位や流入数、広告であればCPAやROAS、SNSであればエンゲージメントなど、結果が明確に可視化されます。

そのため、企業が採用や評価で重視するのは「資格を持っているか」よりも、「どんな施策を行い、どんな成果を出したか」です。実際、現役Webマーケターの多くは資格を持たずに実務経験を積み上げています。

また、Webマーケティングの世界は変化が非常に速く、資格の知識が現場でそのまま通用しないこともあります。アルゴリズム変更や広告仕様のアップデートなど、常に最新情報をキャッチアップし、試行錯誤できる力のほうが重要視されるのが現実です。

それでも資格が評価されるケース

一方で、Webマーケターの資格がまったく無意味というわけではありません。特に以下のようなケースでは、資格が評価されやすくなります。

まず、未経験からWebマーケターを目指す場合です。実務経験がない段階ではスキルを証明する材料が少ないため、基礎知識を学んでいる姿勢の証明として資格が役立つことがあります。ポテンシャル採用や新卒採用では、一定の評価材料になるでしょう。

次に、社内異動やキャリアチェンジの初期段階です。営業や事務職からWebマーケティング部門へ異動したい場合、資格は「最低限の理解がある」ことを示す補足材料になります。

また、Google広告認定資格やGoogleアナリティクス関連資格など、特定ツールに直結する資格は、代理店や運用現場で一定の評価を受けるケースもあります。ただし、あくまで「スタートラインに立つための材料」であり、資格だけで評価が完結するわけではありません。

Webマーケター向けの代表的な資格一覧

Webマーケター向けの資格は、大きく「SEO・コンテンツ」「広告運用」「データ分析」「マーケティング全般」に分類できます。目的やキャリア段階に応じて選ぶことが重要です。

SEO・コンテンツマーケティング系の資格

SEOやコンテンツマーケティング領域では、検索エンジンの仕組みやコンテンツ設計の基礎理解が問われます。

代表的なものとしては、SEO検定があり、内部対策・外部対策・コンテンツSEOなどを体系的に学べる点が特徴です。

これらの資格は、「SEOの全体像を理解していること」を示すには有効で、未経験者やWebマーケティング学習初期の人に向いています。

Web広告・運用系の資格

広告運用系では、Google広告認定資格Yahoo!広告認定資格が代表的です。これらは広告プラットフォーム公式が提供しており、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告など媒体別に細かく分かれています。

実務との親和性が高く、代理店や広告運用案件では評価されやすい資格です。特に「広告運用を専門にしたいWebマーケター」にとっては、取得メリットが大きい分野と言えます。

データ分析・アクセス解析系の資格

データ分析領域では、Google アナリティクス認定資格(GAIQ)が有名です。アクセス解析の基礎から、指標の読み方、改善への活かし方までを網羅的に学べます。

WebマーケターとしてCVR改善やKPI管理に関わる場合、分析スキルは必須になるため、データに強みを持ちたい人には有効な資格です。

マーケティング基礎・全般資格

Webに限らず、マーケティング全般の理解を深めたい場合は、マーケティング・ビジネス実務検定ネットマーケティング検定などがあります。

これらは、顧客視点・市場分析・戦略設計といった「上流の考え方」を学べる点が特徴です。

将来的にマーケティングマネージャーや事業側のポジションを目指す場合、基礎固めとして役立つ資格と言えるでしょう。

Webマーケターにおすすめの資格~目的別~

Webマーケター向けの資格は数多く存在しますが、「とりあえず取る」では効果が薄くなりがちです。重要なのは、自分の立場(未経験・転職・副業)と目的に合った資格を選ぶことです。ここでは目的別におすすめの資格を整理します。

未経験・初心者におすすめの資格

未経験者の場合、実務スキルよりも「基礎理解」と「学習意欲の証明」が重視されます。そのため、Webマーケティング全体像を体系的に学べる資格が有効です。

代表例としては、Google デジタルワークショップ(デジタルマーケティングの基礎)や、ウェブ解析士などが挙げられます。これらは専門特化というより、SEO・広告・分析・顧客理解などを横断的に学べる点が特徴です。

未経験の就活・転職においては、「なぜこの資格を学んだのか」「学んだ内容をどうアウトプットしたか」を語れることが重要であり、資格+自主的な実践(ブログ運営や分析)と組み合わせることで評価されやすくなります。

転職・キャリアアップに役立つ資格

実務経験がある場合、資格は「専門性の裏付け」や「スキルの再現性」を示す役割を持ちます。そのため、分野特化型の資格が有効です。

例えば、

  • SEO領域:SEO検定、ウェブ解析士上級
  • 広告運用:Google広告認定資格、Yahoo!広告認定資格
  • 分析:GA4関連資格、統計・データ分析系資格

これらは現場での実務と直結しており、担当領域を明確にした転職や、マーケターとしての市場価値向上に寄与します。特に広告・分析系資格は、企業側もスキル水準をイメージしやすいため、評価されやすい傾向があります。

副業・フリーランス向けの資格

副業・フリーランスの場合、資格は「営業ツール」としての意味合いが強くなります。クライアントに対して最低限の信頼性を示す材料として活用されるケースが多いです。

特に有効なのは、Google広告認定資格GA4関連資格など、クライアントが内容を理解しやすい資格です。「資格がある=即稼げる」わけではありませんが、提案時の安心材料になり、初回案件の獲得ハードルを下げる効果があります。

ただし、フリーランスでは資格以上に「過去の成果・実績」が重視されるため、資格はあくまで補助的な位置付けと考えるのが現実的です。

資格を取るメリット・デメリット

Webマーケターにとって資格は万能ではありませんが、正しく活用すれば一定の効果があります。ここではメリットとデメリットを整理します。

資格を取得するメリット

資格取得の最大のメリットは、知識を体系的に整理できることです。独学では断片的になりがちなSEO・広告・分析の知識を、一定のフレームで理解できます。

また、未経験者や若手の場合は、学習意欲・基礎理解の証明として評価されることもあります。特に書類選考や初期面談では、「何をどこまで学んでいるか」を伝える材料として有効です。

さらに、学習過程で得た知識が、その後の実務理解を早めるという副次的な効果もあります。

資格だけでは評価されない理由

一方で、Webマーケティングの世界では「資格=即戦力」とは見なされません。その理由は、成果が数値と再現性で評価される職種だからです。

実際の現場では、

  • 数値をどう解釈したか
  • 仮説をどう立て、どう改善したか
  • 成果が出なかったときに何を考えたか

といったプロセスが重視されます。資格はあくまで「知識を学んだ証明」であり、成果を出せるかどうかは別問題です。

そのため、資格取得だけで満足せず、ブログ運営・広告運用・分析レポート作成など、実践とセットで活かすことが不可欠です。

資格と実務経験、どちらを優先すべき?

Webマーケターを目指すうえで多くの人が悩むのが、「資格と実務経験のどちらを優先すべきか」という点です。結論から言えば、最優先すべきは実務経験であり、資格はそれを補強する役割と考えるのが現実的です。

Webマーケティングは成果が数字で評価される職種であるため、「何ができるか」「どんな改善をしてきたか」が重視されます。一方で、未経験者やキャリア初期の段階では、資格が一定の知識レベルを示す材料になることもあります。

企業が評価するポイント

企業がWebマーケターを評価する際に重視するのは、以下のような観点です。

  • 実際に数値改善や施策実行に関わった経験があるか
  • 仮説→施策→検証→改善の思考プロセスを説明できるか
  • 事業や売上にどう貢献したかを言語化できるか

そのため、「資格を持っているか」よりも、「どんな媒体を運用し、どんな成果を出したか」が問われます。
たとえ小規模なブログ運営や広告出稿であっても、自分で考えて実行し、改善した経験は高く評価されます。資格はあくまで知識の裏付けであり、単体では評価に直結しにくいのが実情です。

資格を最大限活かす勉強法・使い方

資格を無駄にしないためには、「取得すること」ではなく「使い方」を意識することが重要です。

  • 資格学習で得た知識を、自分のブログ・SNS・広告運用で実践する
  • 面接やポートフォリオで「資格+実務」で説明できるようにする
  • 苦手分野や未経験領域を補う目的で資格を選ぶ

例えば、GA4や広告運用の資格を取得した場合は、「資格取得後にどんな分析・改善を行ったか」まで語れると評価が一段上がります。資格は実務経験を積むためのきっかけ・土台として活用することで、初めて価値を発揮します。

まとめ

Webマーケターにとって資格は必須ではありませんが、正しく活用すればキャリアの後押しになります。ただし、評価の中心にあるのは常に実務経験と成果です。

これからWebマーケターを目指す場合は、実務経験を最優先しつつ、必要に応じて資格で知識を補強するというスタンスがおすすめです。

資格を「ゴール」にするのではなく、「成果を出すための手段」として活かすことが、Webマーケターとして市場価値を高める近道と言えるでしょう。

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