Webマーケターの仕事内容とは?職種別の業務内容・必要スキルを解説

Webマーケターの仕事内容は一言では表せず、SEO、広告、SNS、分析など多岐にわたります。そのため「実際に何をする仕事なのか分かりにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Webマーケターの具体的な仕事内容を職種別に整理し、未経験者にも分かりやすく解説します。
本記事をお読みいただくことで、これからWebマーケターになる上で、知っておくべきポイントを理解し、転職後もスムーズに業務に取り組めるようになりますので、是非とも最後までお読みください。

X(旧: Twitter): @webkirin
Webマーケター/SEOコンサルタント
1993年生まれ。青山学院大学経済学部卒業後に外資系ITコンサルティング企業やベンチャー企業を経て、独立。
現在は、デジタルマーケティング会社であるCOUNTER株式会社を経営し、SEOコンサルティングを得意分野とする。
Webマーケターの主な仕事内容一覧

Webマーケターの仕事は一言でいうと、Web上で商品やサービスが「売れる仕組み」を作り、改善し続けることです。業務内容は多岐にわたりますが、大きく分けると「集客」「分析・改善」「コンテンツ制作」「戦略設計」の4つに分類できます。
Webマーケターの主な仕事内容一覧
① 集客(SEO・広告・SNS)
② データ分析・改善(CVR・KPI)
③ コンテンツ企画・制作
④ 施策設計・戦略立案
ここでは、各仕事について詳しく解説していきます。
集客(SEO・広告・SNS)
Webマーケターの中心業務の一つが、見込み顧客をWeb上に集めることです。SEO対策では検索キーワード設計やコンテンツ改善を行い、広告運用では予算配分や配信設計、SNSでは投稿企画や運用方針を考えます。
どの手法を使うかは目的や商材によって異なりますが、「どうすればユーザーに知ってもらえるか」を考え、施策を実行するのが役割です。
データ分析・改善(CVR・KPI)
集客した後に欠かせないのが、データをもとにした分析と改善です。アクセス数、クリック率、CVR(成約率)などの指標を確認し、成果が出ているかを判断します。
数値が伸びない場合は原因を仮説立てし、ページ改善や導線修正を行います。このPDCAを回し続けることが、Webマーケターの価値そのものといえます。
コンテンツ企画・制作
Webマーケターは、ユーザーに価値を提供するコンテンツ作りにも関わります。記事コンテンツ、LP、動画、SNS投稿など、目的に応じた企画を立て、制作ディレクションを行うことが一般的です。
自ら制作する場合もあれば、ライターやデザイナーと連携するケースもあります。重要なのは、見た目ではなく「成果につながる内容かどうか」という視点です。
施策設計・戦略立案
経験を積んだWebマーケターほど、上流の施策設計や戦略立案を担うようになります。ターゲット設定、KPI設計、チャネル選定などを行い、全体の方向性を決める役割です。
単発の施策ではなく、事業全体の成長を見据えて戦略を組み立てられるかどうかが、評価や年収にも大きく影響します。
職種別に見るWebマーケターの仕事内容

Webマーケターと一口にいっても、担当する職種によって仕事内容は大きく異なります。
職種別に見るWebマーケターの仕事内容
① SEOマーケターの仕事内容
② Web広告運用マーケターの仕事内容
③ SNSマーケターの仕事内容
④ コンテンツマーケターの仕事内容
⑤ Webマーケティングマネージャーの仕事内容
ここでは、代表的な職種ごとに「何をする仕事なのか」「どんな役割を担うのか」を分かりやすく解説します。
SEOマーケターの仕事内容
SEOマーケターは、検索エンジン経由での集客を最大化する職種です。主な業務は、キーワード調査、コンテンツ企画、既存ページの改善、検索順位や流入数の分析などです。
ユーザーの検索意図を読み取り、検索結果で上位表示される構造を設計することが求められます。中長期で成果が出る施策が多く、論理的思考力と継続的な改善力が重要な仕事です。
Web広告運用マーケターの仕事内容
Web広告運用マーケターは、広告費を使って成果を最大化する職種です。Google広告やSNS広告などを運用し、配信設計、ターゲット設定、クリエイティブ改善、数値分析を行います。
CPAやROASといった指標をもとに、日々改善を回すのが特徴で、短期間で成果が出やすい反面、プレッシャーも大きい仕事です。数字への強さとスピード感が求められます。
SNSマーケターの仕事内容
SNSマーケターは、SNSを活用して認知拡大やファン形成を行う職種です。投稿企画、コンテンツ制作、コメント対応、インサイト分析などを担当します。
拡散力やトレンドへの感度が重要で、ブランドイメージを意識した運用が求められます。数値分析とクリエイティブの両方を扱うため、柔軟な発想力が活きる仕事です。
コンテンツマーケターの仕事内容
コンテンツマーケターは、記事・動画・資料などのコンテンツを通じて見込み顧客を育成する職種です。企画立案、編集、制作ディレクション、効果測定などを行います。
SEOやSNSと連携するケースも多く、ユーザーにとって価値のある情報を継続的に届けることが重要です。文章力と企画力を活かせる職種といえます。
Webマーケティングマネージャーの仕事内容
Webマーケティングマネージャーは、マーケティング全体を統括する役割を担います。各施策の戦略設計、KPI管理、チームマネジメント、予算管理などが主な業務です。
現場の施策理解に加えて、事業視点や経営視点が求められます。実務経験を積んだWebマーケターがキャリアアップして目指すことが多いポジションです。
Webマーケターの1日の仕事の流れ

Webマーケターの1日は、勤務先(インハウスか代理店か)によって大きく異なります。共通しているのは「数字を確認し、改善を考え、施策を進める」点ですが、関わる相手や業務の密度には明確な違いがあります。
インハウスWebマーケターの場合
インハウスWebマーケターは、自社サービス・自社メディアの成長に専念する働き方です。
1日の流れは比較的安定しており、中長期視点での改善が中心になります。
午前
- 前日の数値(アクセス・CV・広告成果など)を確認
- 社内ミーティングでKPI進捗や施策状況を共有
- 改善仮説の整理・優先順位付け
午後
- SEO記事やLPの改善指示
- 広告やSNS施策の調整・検証
- 分析レポート作成、次施策の設計
社内調整は発生しますが、クライアント対応がない分、自分のペースでPDCAを回しやすいのが特徴です。
代理店Webマーケターの場合
代理店Webマーケターは、複数クライアントを担当し、成果とスピードが強く求められる働き方です。
業務密度が高く、1日の中でタスクが細かく切り替わります。
午前
- 複数案件の数値チェック・レポート確認
- クライアントからの問い合わせ対応
- 社内メンバーとの施策すり合わせ
午後
- クライアントミーティング(進捗報告・改善提案)
- 広告調整・施策実行
- 緊急対応や成果悪化時の改善対応
短期間で成果を求められるため、スキルの成長スピードは早い反面、忙しさは増えやすい傾向があります。
まとめると
- インハウス:安定・中長期改善・事業理解が深まる
- 代理店:スピード重視・多案件経験・実力が磨かれる
どちらが良い・悪いかではなく、自分がどんな働き方をしたいかによって向き不向きが分かれます。
Webマーケターに向いている人の特徴

Webマーケターは華やかな仕事に見られがちですが、実際は地道な分析と改善の積み重ねが中心です。そのため、向き・不向きが比較的はっきり分かれる職種でもあります。
Webマーケターに向いている人の特徴
① 数字や分析が好きな人
② 改善・試行錯誤を楽しめる人
ここでは、Webマーケターとして活躍しやすい人の特徴を紹介します。
数字や分析が好きな人
Webマーケターに最も向いているのは、数字を見ることに抵抗がない人です。アクセス数、クリック率、CVR、CPAなど、日々さまざまな数値を確認しながら仕事を進めます。
「なぜこの数字が伸びたのか」「なぜここで離脱しているのか」と考えることが苦にならず、データから仮説を立てるのが好きな人は、自然と成果を出しやすくなります。数学が得意である必要はありませんが、数字を使って考えることを楽しめるかどうかは重要なポイントです。
改善・試行錯誤を楽しめる人
Webマーケティングは、一度やって終わりの仕事ではありません。施策を実行し、結果を分析し、改善するというPDCAを回し続ける仕事です。そのため、すぐに成果が出なくても試行錯誤を続けられる人が向いています。
「失敗=ダメ」ではなく、「次に活かす材料」と捉えられる人ほど成長スピードは早くなります。完璧を目指すよりも、仮説を立てて小さく検証する姿勢を楽しめる人は、Webマーケターとして長く活躍できるでしょう。
関連記事: 【経験者が語る】Webマーケターに向いている人・向いていない人の特徴とは?性格・スキル・思考法を徹底解説
未経験からWebマーケターになる場合の仕事内容

未経験からWebマーケターとして働く場合、いきなり戦略設計や大規模な施策を任されることはほとんどありません。まずは、Webマーケティングの全体像を理解するための実務からスタートし、徐々に担当範囲を広げていくのが一般的です。
最初に任されやすい業務
未経験Webマーケターが最初に任されやすいのは、実行・補助業務です。具体的には、SEO記事のリサーチや簡単な原稿作成、広告運用の数値チェック、レポート作成、SNS投稿の運用補助などが挙げられます。
これらの業務は一見地味に見えますが、Webマーケティングの基本となる「集客→反応→成果」の流れを理解するために欠かせません。まずは数字やユーザーの動きを正しく把握できるようになることが求められます。
実務を通して身につくスキル
未経験から実務を積むことで、Webマーケティングの基礎スキルが体系的に身につきます。アクセス解析ツールの使い方、数値の見方、施策ごとの成果の判断方法などは、現場でこそ習得できるスキルです。
また、「なぜこの施策で成果が出たのか」「なぜ伸びなかったのか」を考える癖がつくことで、仮説思考や改善力も鍛えられます。こうした積み重ねが、将来的に施策設計や戦略立案を担えるWebマーケターへの成長につながっていきます。
まとめ
Webマーケターの仕事内容は、SEO・広告・SNSなどの集客施策から、データ分析、コンテンツ制作、戦略設計まで多岐にわたります。職種や配属先によって担当範囲は異なりますが、共通しているのは「数字をもとに改善し、成果を出すこと」が求められる点です。
未経験の場合でも、最初は集客や分析の補助業務からスタートし、実務を通じてスキルを積み上げていくことができます。経験を重ねることで、より上流の戦略立案やマネジメントに関わることも可能です。
Webマーケターは、仕事内容を正しく理解し、自分に合った領域を選ぶことで、長期的にキャリアを築きやすい職種といえるでしょう。


