Webマーケターと営業の違いとは?仕事内容・年収・向いている人を徹底比較

Webマーケターと営業の違いとは?仕事内容・年収・向いている人を徹底比較

Webマーケターと営業は、どちらも企業の売上を支える重要な職種ですが、仕事内容や求められるスキル、働き方には大きな違いがあります。「営業からWebマーケターに転職できる?」「兼務は可能?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、Webマーケターと営業の違いを分かりやすく整理し、それぞれの特徴やキャリアの選び方を解説します。

本記事をお読みいただくことで、Webマーケターと営業の違いを理解し、これからWeb業界へ転職する際に抑えておくべきポイントについて正しく理解できるようになりますので、是非とも最後までお読みください。

DIGIBITO編集長
宮田 和也

X(旧: Twitter): @webkirin
Webマーケター/SEOコンサルタント
1993年生まれ。青山学院大学経済学部卒業後に外資系ITコンサルティング企業やベンチャー企業を経て、独立。 現在は、デジタルマーケティング会社であるCOUNTER株式会社を経営し、SEOコンサルティングを得意分野とする。

Webマーケターと営業の違いとは?

「売上を作る仕事」という点では、Webマーケターも営業も同じです。しかし、アプローチ方法と価値の出し方はまったく異なります

営業=数字に追われる、Webマーケター=裏方というイメージを持っているなら、それは半分正解で半分間違いです。違いを正しく理解しないまま職種を選ぶと、ミスマッチが起きやすくなります。

役割・目的の違い

営業の役割は、「目の前の顧客を受注につなげること」です。商談・提案・クロージングを通じて、短期的に売上を積み上げていきます。成果は個人単位で評価されることが多く、月次・四半期ごとの数字が重視されます。

一方、Webマーケターの役割は、「売れる仕組みを作り続けること」です。集客導線やコンテンツ、広告設計を通じて、営業が動かなくても問い合わせや購入が発生する状態を目指します。短期成果よりも、中長期での再現性や改善力が評価される点が大きな違いです。

仕事の進め方の違い

営業は「人対人」の仕事です。顧客とのコミュニケーションが中心で、その場の対応力や関係構築力が成果を左右します。成功体験が属人化しやすく、「できる人が強い」世界でもあります。

対してWebマーケターは、「データ対人」の仕事です。数字を見て仮説を立て、改善を回すのが基本。感覚よりもロジックが重視され、施策はチームや組織に蓄積されていきます。同じ成果でも、再現できるかどうかが問われます。

仕事内容を比較

両者は同じ「売上創出」に関わりながら、日々やっていることは大きく異なります。ここを理解すると、向き不向きがはっきり見えてきます。

Webマーケターの主な仕事内容

Webマーケターの仕事は、集客から成果発生までの導線を設計・改善することです。SEOであればキーワード設計やコンテンツ改善、広告であれば配信設計や数値分析を行います。成果が出ない場合は原因を特定し、仮説検証を繰り返します。

直接お客様と話す機会は少ない一方で、数字と向き合い続ける仕事です。「なぜ売れたのか」「なぜ離脱したのか」を言語化できる人ほど評価されます。

営業職の主な仕事内容

営業職の仕事は、顧客と接点を持ち、提案し、受注することです。新規開拓、商談、クロージング、フォローアップまでを担い、成果は契約数や売上金額として即座に反映されます。

顧客の反応をダイレクトに感じられる反面、成果が出なければ評価も下がりやすい職種です。スピード感と精神的タフさが求められる点は、Webマーケターとの大きな違いといえるでしょう。

年収・評価制度の違い

「営業のほうが稼げる」「Webマーケターは年収が伸びにくい」

こうしたイメージは一部正解であり、一部は誤解です。年収差を生むのは、職種そのものではなく評価制度の仕組みにあります。

Webマーケターの年収と評価のされ方

Webマーケターの年収は、成果の再現性と事業貢献度によって評価されます。SEO流入の増加、広告CPAの改善、CV率向上など、数値で説明できる成果を継続的に出せるかが重要です。

評価は比較的中長期視点になりやすく、即月での売上よりも「仕組みとして機能しているか」が問われます。

そのため、年収の伸び方は緩やかな一方、スキルが蓄積されるほど安定して高年収を狙えるのが特徴です。マネージャーやマーケ責任者になると、評価額も一段階上がります。

営業職の年収とインセンティブ

営業職の年収は、成果がダイレクトに反映されるのが最大の特徴です。基本給に加えてインセンティブが設定されているケースが多く、短期間で高年収を実現できる可能性があります。

一方で、成果が出なければ年収が伸びにくく、波が大きいのも事実です。個人の数字が強く評価されるため、「今月・今期に売れるか」が年収を左右します。瞬発力がある人にとっては非常に稼ぎやすい環境といえるでしょう。

向いている人の特徴を比較

Webマーケターと営業は、求められる適性が大きく異なります。スキル以前に、思考タイプや価値観が合うかどうかが重要です。

Webマーケターに向いている人

Webマーケターに向いているのは、仮説検証や改善を楽しめる人です。数字を見て原因を考え、地道に改善を積み重ねる作業にやりがいを感じるタイプは高い適性があります。

また、短期的な成果よりも、中長期で仕組みを育てることに価値を感じられる人にも向いています。人と話すよりも、データやロジックで勝負したい人にとっては、非常に働きやすい職種です。

関連記事: 【経験者が語る】Webマーケターに向いている人・向いていない人の特徴とは?性格・スキル・思考法を徹底解説

営業職に向いている人

営業職に向いているのは、人とのコミュニケーションで成果を出すことが好きな人です。相手の反応をその場で感じながら、提案や交渉を進めることに楽しさを見いだせるタイプは強みを発揮します。

また、プレッシャーをエネルギーに変えられる人や、短期間で成果を出したい人にも向いています。結果がすぐ評価される環境で勝負したい人にとって、営業は非常に魅力的な職種です。

営業からWebマーケターへ転職は可能?

結論から言えば、営業からWebマーケターへの転職は十分に可能です。むしろ、Webマーケティングの現場では「営業出身者」が評価されるケースも少なくありません。理由はシンプルで、営業で培った思考や経験が、マーケティングの本質と強く結びついているからです。

営業経験が活きるスキル

営業経験者の最大の強みは、「売れる構造」を肌感覚で理解していることです。顧客の課題を把握し、どの言葉が刺さるのか、なぜ購買に至るのかを理解している点は、Webマーケティングにおいても大きな武器になります。

また、数字目標を追い続けてきた経験は、KPI管理や成果改善の場面で活かされます。単なる施策実行ではなく、「売上にどうつながるか」を起点に考えられるマーケターは、企業から高く評価されやすい傾向があります。

転職時に求められる知識・準備

一方で、営業経験だけでWebマーケターになれるわけではありません。転職時には、最低限のWebマーケティング知識と実務理解が求められます。SEOや広告運用、アクセス解析などの基礎用語を理解し、「何ができて、何が未経験か」を明確に説明できることが重要です。

また、可能であれば個人ブログや副業、社内施策への関与など、小さくても実践経験を作っておくと評価が高まります。営業力×マーケ知識という組み合わせは、市場価値を一気に引き上げます。

まとめ

営業とWebマーケターは、アプローチは違えど、どちらも「売上を生み出す仕事」です。営業で培った顧客理解力や数字感覚は、Webマーケティングの現場でも確実に活かせます。

重要なのは、職種名ではなくどのように価値を出せるかです。必要な知識と準備を整えれば、営業からWebマーケターへの転職は現実的な選択肢となります。キャリアの幅を広げたい人にとって、挑戦する価値は十分にあるでしょう。

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