Webマーケターの志望動機の書き方とは?転職用例文と差別化のコツを解説

Webマーケターの志望動機は、単に「Webに興味がある」「成長したい」といった抽象的な言葉では、ほとんど評価されません。
私自身、SEOを中心としたWebマーケティングに8年以上携わり、採用側・現場側の両方を経験してきましたが、実際に評価される志望動機には明確な共通点があります。
特に近年は、未経験や異業種からWebマーケターを目指す人が増えており、志望動機の完成度が合否を大きく左右します。
そこで本記事では、SEO経験者である私・宮田和也が、実際の採用現場で見てきた評価される志望動機の考え方と、未経験・転職でも通用する書き方のポイントを具体例とともに解説します。

X(旧: Twitter): @webkirin
Webマーケター/SEOコンサルタント
1993年生まれ。青山学院大学経済学部卒業後に外資系ITコンサルティング企業やベンチャー企業を経て、独立。
現在は、デジタルマーケティング会社であるCOUNTER株式会社を経営し、SEOコンサルティングを得意分野とする。
Webマーケターの志望動機が重要な理由

Webマーケターの採用において、志望動機は他職種以上に重視される傾向があります。Webマーケターは施策の正解が一つではなく、主体的に考え、試し、改善し続ける職種です。そのため、スキル以上に思考姿勢や価値観が志望動機から読み取られます。
Webマーケターの志望動機が重要な理由
① 企業がWebマーケターの志望動機で見ているポイント
② 他職種と比べたWebマーケター特有の評価基準
ここでは、各理由について説明します。
企業がWebマーケターの志望動機で見ているポイント
企業が志望動機で見ているのは、華やかな言葉や専門用語の多さではありません。
重視されるのは「なぜWebマーケティングなのか」「なぜ自社なのか」を自分の言葉で説明できているかです。
SEOや広告、SNSといった手法への興味だけでなく、数字をもとに仮説検証を行い、事業成長にどう貢献したいのかが語られているかがポイントになります。
私の経験上、成果への再現性や思考プロセスが感じられる志望動機ほど、採用担当者の評価は高くなります。
他職種と比べたWebマーケター特有の評価基準
Webマーケターの志望動機が他職種と大きく異なる点は、「成果への向き合い方」が見られる点です。
営業や事務職では人柄や協調性が重視される一方、Webマーケターでは数値改善に対する考え方や試行錯誤への耐性が評価されます。
失敗した施策をどう分析し、次にどう活かすか。その姿勢が志望動機から読み取れるかが重要です。完璧な経験よりも、改善思考を持っているかどうかが判断基準になります。
Webマーケターを志望する人が増えている背景

近年、Webマーケターを志望する人は未経験・転職者を中心に急増しています。Web集客が事業成長の中心となり、マーケティングの重要性が可視化されたことで、Webマーケターという職種の価値が明確になってきました。
Webマーケターを志望する人が増えている背景
① デジタルシフトとWebマーケターの市場価値
② 未経験からでも挑戦しやすい理由
ここでは、各項目について解説します。
デジタルシフトとWebマーケターの市場価値
企業のデジタルシフトが進んだことで、Webマーケターの市場価値は年々高まっています。広告費やSEO、SNS運用など、オンライン施策は「感覚」ではなく「データ」で判断される時代です。
その中心にいるのがWebマーケターです。実際、私が支援してきた企業でも、Webマーケティングを強化したことで売上構造が大きく改善したケースは少なくありません。こうした背景から、Webマーケターは今後も需要が続く職種といえます。
未経験からでも挑戦しやすい理由
Webマーケターは未経験からでも挑戦しやすい職種の一つです。
その理由は、知識や成果を比較的可視化しやすい点にあります。SEOであれば検索順位や流入数、広告であればCPAなど、学習と実践の結果が数字で表れます。
私自身も、最初は小さな検証を積み重ねることでスキルを身につけてきました。独学や副業、個人サイト運営など、行動次第で経験を積める点も志望者が増えている要因です。
Webマーケターの志望動機に盛り込むべき3つの要素

Webマーケターの志望動機では、単なる憧れや興味関心だけでなく、職種理解・企業理解・自身の経験の接続が明確に語られているかが評価を分けます。この3つの要素が揃って初めて、「この人は現場で成果を出せそうだ」と判断されます。
Webマーケターの志望動機に盛り込むべき3つの要素
① なぜWebマーケターなのか(業界・職種理由)
② なぜその企業なのか(事業・サービス理解)
③ 自分の経験をどう活かせるか(再現性)
ここでは、各要素について解説します。
なぜWebマーケターなのか(業界・職種理由)
「なぜWebマーケターなのか」は、最も重要でありながら差がつきやすいポイントです。
私が見てきた中で評価されやすいのは、Webマーケティングの成果が数字で可視化され、改善を重ねられる点に魅力を感じているケースです。
SEO、広告、SNSなど手法論に触れつつも、「仮説検証を回し、事業成長に貢献したい」という軸があると、職種理解の深さが伝わります。
なぜその企業なのか(事業・サービス理解)
志望動機で一段評価を上げるには、「なぜその企業なのか」を具体的に語ることが欠かせません。
私自身、採用側に立つときは、事業モデル・集客構造・競合との差分まで踏み込んでいるかを見ています。サービス内容に触れるだけでなく、「この事業フェーズでWebマーケティングが重要だと考えた理由」を言語化できると、企業理解の深さが一気に伝わります。
自分の経験をどう活かせるか(再現性)
最後に重要なのが、「これまでの経験をどう再現できるか」です。
Webマーケター未経験であっても問題はありません。営業での数値管理、企画職での仮説立案、個人ブログやSNS運用など、思考プロセスがWebマーケティングと接続できているかが評価されます。
私の経験上、成功体験よりも「どう考え、どう改善したか」を語れる人ほど、採用後の伸びが早いです。
Webマーケターの志望動機~パターン別の書き方~

Webマーケターの志望動機は、これまでの経験や立場によって最適な書き方が異なります。
未経験者・異業種転職・営業や企画職出身者・新卒では、企業側が期待する役割や成長スピードの見方が変わるためです。そのため「なぜWebマーケターを目指すのか」という共通軸を持ちつつ、自身のバックグラウンドに応じて強調点を調整することが重要になります。
Webマーケターの志望動機~パターン別の書き方~
① 未経験からWebマーケターを志望する場合
② 営業・企画職からWebマーケターを目指す場合
③ 異業種から転職する場合
④ 新卒でWebマーケターを志望する場合
この章では、パターン別に評価されやすい志望動機の考え方を整理します。
未経験からWebマーケターを志望する場合
未経験の場合、企業が最も重視するのは「なぜ今Webマーケターなのか」と「自走できる素養があるか」です。
私自身、採用側として多くの志望動機を見てきましたが、単に「将来性があるから」「手に職をつけたいから」では弱くなります。
重要なのは、独学でSEOや広告、アクセス解析に触れた経験や、数字を元に改善を試みた具体的な行動です。成果の大小よりも、仮説→検証→改善という思考プロセスを言語化できるかが評価の分かれ目になります。
営業・企画職からWebマーケターを目指す場合
営業・企画職出身者は、Webマーケターとの親和性が高いポジションです。
志望動機では「顧客理解」や「課題解決経験」をWebマーケティングにどう転用できるかを明確にしましょう。
例えば、営業で培ったヒアリング力をユーザー視点のコンテンツ設計に活かせる点や、企画立案の経験を施策設計・改善に応用できる点は強みになります。現場で数字に向き合ってきた経験を絡めることで、即戦力としての再現性を伝えることが可能です。
異業種から転職する場合
異業種からWebマーケターを志望する場合、「業界は違えど、本質的なスキルは共通している」ことを示すのがポイントです。
私が見てきた成功例では、業務改善、数値管理、顧客対応といった経験をマーケティングに接続できていました。
重要なのは、過去の仕事を単なる経歴説明で終わらせず、「Webマーケティングでも同じ考え方で成果を出せる」というストーリーを作ること。職種変更への覚悟と学習意欲も必ず言語化しましょう。
新卒でWebマーケターを志望する場合
新卒の場合、実務経験の有無よりも「考え方」と「伸びしろ」が評価されます。
志望動機では、なぜ数ある職種の中でWebマーケターを選んだのかを明確にすることが重要です。学生時代に取り組んだブログ運営、SNS分析、データを用いた改善経験など、小さな実践でも構いません。
私の経験上、自分なりに仮説を立て、結果から学んだプロセスを語れる学生は高く評価されます。成長意欲を具体的に示すことが鍵です。
Webマーケターの志望動機|例文集
ここでは、私がこれまでSEO支援や採用支援の現場で数多く見てきた志望動機の中から、評価されやすい構成・表現を踏まえた例文を紹介します。以下の例文は、そのまま使うのではなく、自身の経験に置き換えながら活用してください。
未経験向け志望動機の例文
「私は、データをもとに仮説検証を繰り返し、成果を最大化していくWebマーケティングの考え方に強い魅力を感じ、Webマーケターを志望しました。
前職では〇〇職として業務改善に取り組み、数値を分析しながら施策を改善する経験を積んできました。この経験は、WebマーケティングにおけるPDCAや改善思考と親和性が高いと考えています。
未経験ではありますが、SEOや広告運用について自主的に学習を進め、実際に個人でWebサイトを運営し改善を重ねてきました。貴社の〇〇事業においても、ユーザー視点と数値分析を軸に、成果に貢献できるWebマーケターを目指したいと考えています。」
転職者向け志望動機の例文
「これまで〇〇業界でWeb集客やデジタル施策に関わる中で、施策の成果が数字として明確に表れるWebマーケティングの仕事に強いやりがいを感じるようになりました。
特にSEOや広告運用を通じて、仮説立案から改善まで一貫して携われる点に魅力を感じています。前職では〇〇の業務を担当し、KPI設計や数値管理、改善提案を行ってきました。
この経験は、Webマーケターとして成果を出すうえでも再現性が高いと考えています。貴社の〇〇領域においても、事業理解を深めながら、成果に直結する施策を実行していきたいと考え、志望いたしました。」
SEO・広告・SNSに興味がある場合の例文
「私がWebマーケターを志望した理由は、SEOや広告、SNSなど複数のチャネルを横断しながら、事業成長に直接貢献できる点に魅力を感じたからです。
特にSEOでは、ユーザーの検索意図を深く考え、コンテンツや導線を改善することで中長期的な成果を生み出せる点に強い関心を持っています。
実際に個人でWebサイトを運営し、検索順位や流入数の変化を分析しながら改善を行ってきました。こうした経験を活かし、貴社のWebマーケティング施策においても、データに基づいた改善と継続的な成果創出に貢献したいと考えています。」
Webマーケターの志望動機でよくあるNG例

Webマーケターの志望動機では、やる気や関心があっても伝え方を間違えるだけで評価を大きく下げてしまうケースが少なくありません。
Webマーケターの志望動機でよくあるNG例
① 抽象的で汎用的すぎる志望動機
② 「成長したい」だけで終わっている例
③ 企業理解が浅い志望動機
ここでは、私がSEO・Webマーケティングの現場で採用側・支援側の両方を経験してきた立場から、実際によく見かけるNGな志望動機のパターンを紹介します。
抽象的で汎用的すぎる志望動機
Webマーケターの志望動機で最も多いNGが、「Webに興味がある」「マーケティングが好き」といった抽象的な表現だけで終わっているケースです。
これらはWebマーケターに限らず、広告業界やIT職全般に当てはまるため、採用担当者の印象に残りません。
私自身、採用支援や面接同席を通じて数多くの志望動機を見てきましたが、評価される人ほど「どの施策に興味を持ち、どのように成果を出したいのか」まで具体化しています。
抽象的な動機は熱意がないのではなく、「考えが浅い」と受け取られるリスクがある点に注意が必要です。
「成長したい」だけで終わっている例
「Webマーケターとして成長したい」「スキルを身につけたい」という志望動機もよく見られますが、これだけでは不十分です。
なぜなら、成長意欲は前提条件であり、評価ポイントにはなりにくいからです。企業が知りたいのは、成長した結果として自社にどのような価値を提供できるのか、という視点です。
SEOであれば集客改善、広告であればCPA改善など、成果への言及がない志望動機は自己都合に見えてしまいます。成長したい理由を「事業成長への貢献」と結びつけて語れるかが、合否を分けるポイントになります。
企業理解が浅い志望動機
Webマーケターの志望動機で致命的になりやすいのが、企業理解の浅さです。
「貴社の事業に魅力を感じた」「Webマーケティングに力を入れている点に惹かれた」といった表現だけでは、どの企業にも使い回せてしまいます。
実務経験上、評価される志望動機は、事業モデル・主要サービス・集客チャネルなどに具体的に触れています。特にWebマーケターは事業理解が成果に直結する職種です。
企業研究が浅い志望動機は、「入社後も表面的な施策しかできない」と判断される可能性がある点を意識すべきでしょう。
Webマーケターの志望動機を差別化するコツ

Webマーケターの志望動機は、書き方次第で評価が大きく分かれます。多くの応募者が似た内容になりがちな中で差をつけるには、「具体性」と「再現性」を意識することが重要です。
Webマーケターの志望動機を差別化するコツ
① 具体的な数字・成果・行動を入れる
② 仮説思考・改善思考を言語化する
③ 入社後にやりたい施策を明確にする
ここでは、私自身が採用側・支援側の立場で見てきた中で、評価されやすい志望動機に共通するポイントを解説します。
具体的な数字・成果・行動を入れる
志望動機を差別化するうえで最も効果的なのが、数字や具体的な行動を盛り込むことです。
例えば「SEOに興味があります」ではなく、「個人ブログでSEOを学び、半年で月間PVを3,000まで伸ばした」と書くことで、行動量と成果が一目で伝わります。
必ずしも大きな成果である必要はなく、仮説を立てて施策を実行し、結果を振り返った経験が重要です。数字は再現性を示す強力な材料になります。
仮説思考・改善思考を言語化する
Webマーケターは正解のない課題に向き合う職種です。そのため、志望動機では「どのように考え、改善してきたか」を言語化することが評価につながります。
例えば、施策がうまくいかなかった際に、原因を分析し、次の打ち手をどう考えたのかまで書くと、思考プロセスが伝わります。結果だけでなく、仮説→検証→改善の流れを説明できるかが、マーケター視点を持っているかの判断材料になります。
入社後にやりたい施策を明確にする
志望動機の締めくくりとして効果的なのが、入社後に挑戦したい具体的な施策を述べることです。
例えば「貴社のオウンドメディアで検索意図を起点にした記事改善に取り組みたい」といった形で、企業の事業や課題に紐づけて語ると、解像度の高さが伝わります。
企業理解とマーケティング視点の両方を示せるため、「この人は入社後の活躍がイメージできる」と思ってもらいやすくなります。
伝わるWebマーケターの志望動機とは
Webマーケターの志望動機では、「なぜWebマーケターなのか」「なぜその企業なのか」「自分の経験をどう活かせるのか」を一貫したストーリーで伝えることが重要です。
抽象的な動機や成長意欲だけでは評価されにくく、数字や行動、思考プロセスを交えて具体性を持たせることで説得力が高まります。
また、入社後に挑戦したい施策まで言及できれば、再現性や主体性も伝わります。企業視点を意識し、自分ならではの価値を言語化することが、伝わる志望動機への近道です。


